カワズのボードゲーム備忘録

京都在住の両生類が趣味であるボードゲームについて綴るブログです。基本的には所持しているボードゲームの中でも特に好みであるものを紹介していきます。

ポンペイ滅亡

西暦79年。

イタリア南部の街、ポンペイが一夜にして滅びた。
ヴェスヴィオ火山が噴火したことによって発生した火砕流が、街全体を覆い尽くしたのだ。

時速100キロを超える速度で広がる1000度の熱風は人々に逃げる隙を与えなかった。

そうして命を落とした人々に火山灰が積もり、遺体だけが朽ち果てた為、空洞ができた。

考古学者がこれに石膏を流し込み、火砕流が街を襲った時の様子を再現しようと試みると…

そこには子供を守ろうと覆いかぶさるようにしている親の姿や、熱風で全身を焼き尽くされ、悶え苦しむ人々の姿が生々しく残されていたのだった。

ポンペイ - Wikipedia
内容はショッキングですが、一度読んでみることをお勧めします。


ポンペイ滅亡 基本情報

プレイ人数 : 2〜4人
対象年齢 : 10歳以上
プレイ時間 : 45分

2人でも結構楽しい。
しかしテーマが重苦しい上に直接攻撃の要素があるので、万人に受けるゲームではないかもしれない。
紹介を聞いて面白そうだと思ったら、是非試してほしい。

どんなゲーム?

前半はポンペイの街を発展させるゲーム。
後半は広がる溶岩から人々を逃すゲームとなっています。

要は二部構成のちょっと変わったゲームです。


ボード。
ポンペイの街と火山があります…🌋
もう既に溶岩が火口から溢れでており、こんなん早く逃げんほうが悪いやろ感は強めです。


一部はこんなカードをプレイして、自分のコマをボード上に配置していきます。
普通にデザインが好きです。

まず4枚配られているので、このうちどれか1枚をプレイします。

そして対応する番号の建物に書かれている丸い部分のどこかに自分のコマを配置します。

8番のカードをプレイしたので、8番の建物のどこかにコマを置く。

これを最初は繰り返していくだけなのですが、火山の噴火(AD79)の1枚目がオープンされた時、ゲーム性が少し変わります。


この火山の1枚目がめくられてからは、下のようなカードが登場します。(あるルールに従って山札は最初に作られているので、火山の噴火カードが出てくるまでは絶対に出てきません。)


オーメン
これは前兆カードといい、これを引いたら即座に相手のコマを火山に放り込むことができます。ひどすぎる!

また、新ルールとして、縁者ルールというものが追加されます。

既に他のコマがある建物に自分のコマを置いた時、その建物に既にいたコマの数だけ自分のコマを追加で配置することができます。

配置のルールはいろいろありますが、だいたい同じ色の建物のどこか、もしくは中立の建物に置けると思ってもらえれば大丈夫です。

「中立の建物にコマを配置するには、この縁者ルールを使う以外に方法はないよ。」

「いっぱい配置した方がいいの?」

「一概には言えないねぇ。ゲーム終了時に生き残った人が多い人が勝ちだけど、同数生き残っていたら犠牲者が少ない方の勝利だからね。闇雲に人だけ増やしても全員逃すのはなかなか難しいし。」


そして2枚目の火山カードが引かれた時…


「どうするの?」

「こうするんだよ!」


今まで使っていた手札はもう使わない。呑気に人なんか配置している場合じゃないからだ。

「あっ、手札が!」

「もう繁栄なんて言っている場合じゃない!一刻も早く逃げなくては!」

手札は全部捨てて、もう使うことはありません。



そして、こんな溶岩タイルが入っている袋の中から合計6枚の溶岩タイルが配置されるまで順番に引いていきます。


それぞれボード上に書かれたイラストに対応したマークが書いてあるので、それに習って配置します。
同じイラストの物が出たら既に置かれた溶岩タイルに隣接するように配置します。


この時…


じわりと迫る溶岩。
「あっ…僕のコマが溶岩タイルに潰された!」

そうなってしまった場合はコマを逃げ遅れた人として火山の中に投げ込みます。

「ぐぅ、無念じゃ…。」

「イタリア人がそんなこと言う?」

6枚の配置が終わったら、6枚目の溶岩タイルを置いたプレイヤーの次の手番のプレイヤーから次の2つを行います。


A)溶岩タイルを引き、ボード上に配置する。

相手のコマが逃げにくい位置に溶岩タイルを配置しましょう。
また、時には直接相手のコマを消し炭にしてあげましょう。
ここがomenに次ぐ直接攻撃ポイント。この無慈悲な攻撃も仕方ないと割り切ってプレイできる人だけが、このゲームを楽しむのに向いている。

B)コマを2つまで移動させる。


通常、自分のコマを2つまで選んでそれぞれ移動させることができます。
移動させることによってボード上の門から町の外へ脱出できれば生還となります。

それぞれのコマの移動力は、今いるマスにいるコマの数に比例します。
3コマいれば3マス、2コマいれば2マス移動できるということですね。

「周りに人がいないとドンドン鈍足になっていくな。」

「多人数プレイだと妙な連帯感が生まれたりもするし、逆に抜け駆けして自分だけさっさと逃げ始めるやつが出てきたりするしで、なかなか面白いのよ。」

何れかのプレイヤーが最後の溶岩タイルを引いた時点でゲームは終了します。
盤面に残ったコマは全て火山の中に投げ込みます。
逃げ遅れですね…


最も多くのコマを生還させたプレイヤーが勝利します。
同数なら火山の中の犠牲者が少ないプレイヤーが勝利します。

最初は繁栄、最後は滅亡。2つのゲーム展開は飽きの来ない良システム、

あるタイミングを境に一斉に逃げ出す様が、不謹慎ではあるもののテーマにあっていると感じました。
テーマのブラックさから敬遠する人も少なくないとは思いますが、ゲームとしては非常に面白い為、僕もお気に入りのゲームの1つとなっています。


カードに書かれている情報は言語依存も無い為、日本語のルールさえあれば問題なく遊ぶことができます。

2人でも楽しい作品なので、是非プレイしてみて下さい!かなりおススメです。

相手にomenばかり引かれると少しムカつきますが、たかがゲームでギスギスしても仕方ないので運が悪かったんだと思いましょう…(笑)


ポンペイ滅亡 THE DOWNFALL OF POMPEII

ポンペイ滅亡 THE DOWNFALL OF POMPEII

ポンペイ滅亡 The Downfall of Pompeii ボードゲーム日本語説明書付き

ポンペイ滅亡 The Downfall of Pompeii ボードゲーム日本語説明書付き