カワズのボードゲーム備忘録

京都在住の両生類が趣味であるボードゲームについて綴るブログです。基本的には所持しているボードゲームの中でも特に好みであるものを紹介していきます。

モルゲンランド

その昔…
中世のイスラム世界にシャフリヤールという王がいた。

ある時、王の妃の不貞行為が発覚し、嘆き悲しんだ王は妻と相手の男の首をはねた。

王の気持ちはそれだけではおさまらず、街の生娘を連れてきては、一夜を過ごした後に首をはねていった。なんで?

王の側近である大臣が困っていると、その娘であるシェヘラザードが、王の蛮行を止めるべく、行動を起こす。

王の新しい妃となったシェヘラザードは、その日の夜から王に素晴らしい物語を語った。
物語は決して最後まで語らず、「続きはまた明日お話しします。」と言うのだった。

どうしても物語の続きが聞きたい王は妃の物語に毎晩心を震わせ、ついに最後まで殺すことはなかったそうだ。




アラビアンナイトといえば、ディズニーの押しも押されもせぬ名作、『アラジン』が実写映画化されるということで話題を呼んでいますね。

アラジン (吹替版)

アラジン (吹替版)

僕もアラジンは勿論、アリババやシンドバッドの冒険など、児童文学で読み耽ったものです。
実際のアラビアンナイトと言えばかなりエロスに溢れた過激な世界観で有名なようですが…
(今思えば、その過激さは児童文学であっても隠しきれていなかったように思える。アリババの兄、カシムは容赦なくバラバラにされるし、悪い盗賊は隠れている所に沸騰させた油を流し込んで倒す。それが主人公のやることだろうか?)

アラビアン・ナイト (福音館古典童話シリーズ)

アラビアン・ナイト (福音館古典童話シリーズ)

さて、今回はそんなアラビアンナイトの世界に飛び込んで宝石やアーティファクトを集める雰囲気たっぷりのゲームをご紹介しようと思います。
アラジンを観た後にいかがでしょうか?

モルゲンランド 基本情報

プレイ人数 : 3〜5人
対象年齢 : 10歳以上
プレイ時間 : 60〜90分

どんなゲーム?

ドラゴンから財宝を奪い、魔法を使い、アーティファクトを得るゲームです。


プレイヤーはこのようなチップをそれぞれ持ちます。3を除いた1〜9までで、構成は一緒です。

衝立もついでに受け取ります。

手に入れた宝石は隠して持っておくので、目隠しがいるのです。

出番が来たら、順番に1枚ずつ手元のチップをボードに伏せて配置していきます。好きな場所に置いていいのです。
全てのプレイヤーがチップを置き終わったら、左下からチップを表向けていきます。

超簡単に言えば、各マスに置いているチップの合計数値の1番大きい人が、そのマスの効果を得られるということです。
ドラゴンの洞窟では2位も財宝を貰えますが…


ボード全景。
1番下からドラゴンの巣、街、宮殿という感じでしょうか。3つのエリアに分かれています。
ここに順番にチップを置いていくというわけです。

ドラゴンの巣

どうでもいいことですが、千夜一夜物語にドラゴンなんて出てきましたかね…

もっとも、数多のエピソードのうち僕が読んだことがあるのはほんの一部ですので、出てきた物語があったのかもしれないですね〜


ラウンド毎にこんなカードがオープンされるので…


内容に従ってこんな風に財宝を配置します。これを奪い合うわけです。

「今回はレッドドラゴンがしょっぱいな…」

各エリア毎に、1番チップを置いているプレイヤーが1番上に置かれている財宝を獲得します。
2位以下はその下に置いてあるしょんぼり財宝です。(とはいえ今回のホワイトドラゴンの巣は2位でもかなりおいしそう。)

財宝は貴重(最初にいくつかは配られていますが)なので、ここでの競りは結構重要です。



「財宝の価値は小さいの3つで大きいの1つに相当するぞ。お金みたいなものだから沢山欲しいな。」


「いっちょかみが狙えるエリアはここくらいよね。中途半端に手を出して結局取れないってなるとチップが無駄だし、悩ましい…」



ここではスタートプレイヤーを表すラクダを取れる権利を得たり、市場で交換したり、魔法カードを手に入れたりできます。

「置いたチップの合計数値が同じだった場合、ラクダを持っているプレイヤーが優先になる。ラクダをないがしろにはできないな。」

「魔法、街で売ってるの?」

「科学じゃなくて魔法が発達した世界なんだろう。知らんけど。」


この魔法カードがかなり強烈で、うまく使うことができれば勝利は目前。

自分以外のプレイヤーはチップを表で配置しろだの、自分が選んだマスの財宝配布は行われなくなるだの無茶苦茶です。

魔法カードに多少の言語依存はあるので、一覧表などは作成した方がいいかもしれません。


宮殿

宮殿にはルールに従ってアーティファクトが置かれています。
入門ルール、上級ルール、人数によって配置の仕方は異なります。

宮殿の入り口にはこんな番人チップが置かれており…(強さもピンからキリまで)
この数字を上回る数置いていない場合は、そもそもアーティファクトの購入権を得られません。
でも…
差分の財宝を支払うことによって番人は買収できます。
7の番人がいて、自分が4のチップを配置していた場合、3つ財宝を払えば通してくれます。

それぞれのマスで最も高い数字のチップを置いていた人が最初にアーティファクトを買う権利があるのですが…

購入には自分が置いたチップの合計数、財宝を払う必要があります。
調子に乗ってチップをつぎ込みすぎると、とんでもない値段で買うしかなくなるということですね。
因みに使った枚数分に等しい種類の財宝で支払えというルールがあります。
(2枚使って入札していれば、2種類の財宝で払え。ということになりますね。)
ここで払えないと、2番手のプレイヤーに購入権が移ってしまいます。
慎重に値段をつけましょう。

最終的にアーティファクトを最も持っていた人が勝ちなので、宮殿も重要です。

「しかもアーティファクトにはそれぞれ1ラウンドに1回使える特殊能力がついてるから、手に入れればより勝利が近づくぞ」


例えば…


アラジンの不思議なランプ

手に入れた魔法カードをラウンド終了時まで何枚でも使えるようになる。

「魔法はかなり強力だから、これは絶対に欲しいね。」

空飛ぶ絨毯

3の強さのチップとして好きな場所に配置することができる。現在公開されている所にも置くことができる。

「3がいきなり飛んでくるのは相手にとっては想像以上にきついよ。3も上乗せされたらその場所での最大を奪い返されるのもザラなのよ。」



宮殿の番人マスにチップを置かなくても宮殿に入ることができる。(アーティファクトの購入権がある。)

「うーん、わざわざ門番のマスにそれなりの数字を置かなければいけなかったのに、それをパスできるのはお得だね。」

などなど…かなり強力

ゲームの終了

最後のアーティファクトが買われた時点でゲームは終了です。

最も多くアーティファクトを所持しているプレイヤーが勝利します。

プレイヤーはアラビアンナイトの世界へ…ファンタジー好きにはオススメの名作。


裏向きにして配置していくため、無茶苦茶多くチップを割いていると思ったら小さい数字ばかりだったり、魔法の力で自分のチップが除去されたり…
財宝は沢山欲しいのですが一筋縄ではいかないゲームでした。

アラビアンナイトの世界観が綺麗でやたらでかいボードによく表されています。

3人からしかプレイできないのは弱点ではありますが、アラビアンナイトのテーマをじっくり味わいたい人は絶対にプレイしてみてほしい作品です。

モルゲンランド(Morgenland) | 中古 | ボードゲーム | 通販ショップの駿河屋

モルゲンランド(Morgenland) [日本語訳付き] | 中古 | ボードゲーム | 通販ショップの駿河屋


実は僕、ドラビアンナイトも大好きなのです。