カワズのボードゲーム備忘録

京都在住の両生類が趣味であるボードゲームについて綴るブログです。基本的には所持しているボードゲームの中でも特に好みであるものを紹介していきます。

ノーチラス

海底は



素晴らしい



水の泡になって消えたっていい



波の下の青い世界で暮らそう



ステキな世界だ海の底




僕は昔、放課後が退屈な小学生でした。

とりわけ仲の良かった友達が、小学校の近くにある児童館で親が迎えにくるのを待つ(僕もたまに迎えに来てもらえましたが…)といった帰宅方法だった為、一緒に下校することができなかったんですね。

そのため僕は、帰路の途中にある図書館で本を読み、数冊の本を借りて帰るのが日課になっていた時期があったのです。

他の読書好きの子に比べると大した量を読んだわけではないのですが、ファンタジー系の児童文学が好きで、どっぷりと特定の本の世界にはまり込んでいました。


そのうちのお気に入りの1冊が、海底二万里です。

ある時、船舶に大穴を開けられる怪事件が続発していました。
原因は巨大な海洋生物だと仮説を立てた主人公アロナックス博士は調査の為、助手達と共に軍艦に乗り込んだのです。
しかしその謎の怪物の攻撃により博士や助手は海に投げ出されてしまい…

というのがあらすじです。
この後、彼らはノーチラス号という潜水艦に乗っていたネモ船長に出会い、世界中の海を旅することになるのですが…

深海という未知の世界について(それが例えフィクションだったとしても)丁寧に記述されていて、ページをめくるたびに心を躍らせました。

少し長くはありますが、一読の価値はある小説です。

海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ)

海底二万海里 (福音館古典童話シリーズ)

図書館にもまず置いてあるでしょう。名作です。


あれから10数年経った今、僕は新たな趣味を発見しました。
1人で楽しむ読書もいいですが、みんなでワイワイ楽しむボードゲームもいいものですね。

僕は海が好きなのですが、海水が肌に沁みて痛いので海水浴はできません。
なので海を感じさせてくれるこのゲームはテーマ的にどストライクなワケです。

ゲームのテーマを理解し、世界観に浸る。これがボードゲームの僕流の楽しみ方です。



なかなか難易度の高いゲームですが、最近のお気に入りのゲームで、楽しくプレイしています。


海底探険のロマンに心躍らせたあの時を思い出しながら…



ノーチラス 基本情報

プレイ人数 : 2〜4人
対象年齢 : 12歳以上
プレイ時間 : 100分


どんなゲーム?

あまりに前置きが長くなってしまいましたが、それだけテーマ的にささるものがあったんだなということは理解していただけたんじゃないかと思います。
というか男の子なんてみんな大冒険や宇宙なんかに憧れてたでしょ!
僕なんかは箱絵を見た瞬間からウッキウキでしたよ。

箱絵にはでかでかとノーチラス号が描かれており、「これからお前らは潜水艦に乗るんだ。準備はいいか?」感が伝わってきます。

ちなみに原作のノーチラス号は他の船とドンパチやってた潜水艦ですが、このゲームに置いてはお宝探しの為といった平和な目的のために使用されます。
ウォーゲームじゃなくてホッとしますね。

ノーチラスは手元のお金をやりくりして海底都市を建設しながら、海底のお宝をサルベージせよ!というゲームです。

ゲームの準備


ボード全景…は無理でした。
あまりに大きい。
よく見ると小さなマスみたいなものが書かれています。ここを潜水艦が進んでいって、この光っているところに落ちている宝物を回収するわけです。


まず最初に初期資金とコマを受け取ります。

・初期資金(お金の単位はネモ。プレイ人数によってもらえるお金は違いますが、最初だけ結構貰えます。)
・調査隊 15人※あまりに小さく扱いづらい。ピンセットがほしいくらい
・潜水艦 3艘
・ステーションマーカー 20枚



ネモ船長が乗っていたノーチラス号の「ノーチラス」にはオウムガイという意味があるらしいです。このコマはどう見てもプレコのようだが…


そしてチャートシート1枚を受け取ります。
自分の潜水艦の性能とかを表すシートだと思ってください。


更に特殊任務タイルをランダムで1枚受け取ります。
ここに書かれているものを沢山集める事ができれば、終了時にいい得点になります。


1ラウンドは3つのフェイズからなります。
スタートプレイヤーがフェイズ1を行い、次のプレイヤーも順にフェイズ1を行います。全てのプレイヤーがフェイズ1を終えたら、フェイズ2に進むという進行になります。

1ラウンド終えたら前のスタートプレイヤーの左隣が新たなスタートプレイヤーとなり、次のラウンドにうつります。

フェイズ1 海底都市の建設

このフェイズでは居住用、もしくは調査用のステーションを建設します。
海底都市、聞いただけでワクワクしますね。
海中公園の中で生活できるってことですもんね。


a)ステーションの購入

各プレイヤーはラウンドに1つだけステーションを購入できます。
値段は調査ステーションなら1ネモ。
居住用ステーションならタダで貰えます。
ただし、居住用スペースを購入した時はその上に調査隊を配置しなければなりません。
これも1人につき1ネモかかります。

なお、居住用ステーションに置ける調査隊の数には上限があります。
プレイ人数によって異なるので要確認です。

なお、ここで獲得したステーションを次で確実に配置しなければいけないということではありません。
温存も一応可能です。

b)ステーションの建設

手番になったプレイヤーは自分のステーションを1つとってゲームボードに建設します。

この時、そのステーションの通路が少なくとも1つベースステーション、またはその他のステーションにある同じ色の通路と繋がるように配置しなければいけません。

「まぁ、通路の色って言っても2色しかないし、繋がらないなんてことはあんまりないでしょ」

「ステーションは1度に2個置いたっていいけど、2個目以降は1個目に置いたものと隣接してなきゃだめよ。」

そして、調査ステーションを置いた時は自分のステーションだとわかるように、ステーションマーカーを1枚置いておきます。

「居住用にはいらんのね。」

また、当然ですがステーションの建設にもお金がかかります。
かかるお金は建設する場所の深さによって変化します。

「海溝にステーションを建設するには、そうとうのお金が入りそうだな。」

「浅い場所から順に1、2、3、4ネモかかるよ。」

※注意!ステーションを1度に2個以上建設する場合、建設費用は1回支払えばOK!

「はぁ?随分お得に聞こえるな」

「ただ建設エリアが地形をまたぐ場合には、高い方の建設費用を払わなあかんことには注意しな。」



フェイズ2 調査隊の使用


居住ステーション内にいる調査隊はそれだけではなーんの役にも立ちません。調査隊は居住用ステーションからゲームに登場し、調査ステーションへと進めていかなくてはなりません。

「なるほど、居住用ステーションの建設をして、そいつらを調査ステーションまで移動させることになるわけだな。」

「そう、住む場所がないと調査できないってことよ。」

手番になったら3移動力を最大2つの調査隊コマに割り振って移動させることができます。
1つを3回移動させたっていいですし、足並みを揃えて移動させてもかまいません。
また、無理に3移動力を使わずにその場に留まることもできます。

「ステーションの中には、効果によって移動力を上げたりするものもあるから、要チェックですよ。」

「別に通行料的なものはないようだな。誰のステーションだろうが通り放題だ。」

「それはそうなんだけど、他人のステーションで移動を終えた場合は…」


調査ステーションの稼働

自分の調査隊がいないところに調査隊を派遣すると、対応するステーションを稼働させます。
チャートシートの対応する場所に置いてあるチップを1つ横にズラして下さい。2回以上稼働させると勝利点ももらえるし、能力も向上するのだ。

因みに他人の建設した調査ステーションを稼働させて自分のチャートを上げた場合、相手に使用料として1ネモ支払わなければいけません。

「お金ないっちゅうとるのに」

「毎度!人が稼働させたいステーションのオーナーになるのも1つのカギよね。」

基本的にこのチャートを上げていけば自分の潜水艦の機能が上がったり、調査隊の移動力が上がったりするのでいいことばかりです。


訓練ステーション

これを稼働させると、自分の調査隊の移動力が上がります。
最初は3歩しか進めませんが、これを特化させると5歩まで移動できるようになります。


技術ステーション

潜水艦の移動力を上げることができます。
潜水艦は最初4マスまでの移動。これを特化させると6マスの移動が可能になります。


音波ステーション

潜水艦からより遠くの位置にある宝物の種類を見ることができるようになります。


実験ステーション

海の発見物のうち貝をめくった時に、他の発見物の内容をオマケで見ることができます。
このゲーム、狙った宝を探していくゲームなので宝の内容はめちゃくちゃ知りたいのです。


分析ステーション

海の発見物のうち、宝箱を発見した時の価値が高まります。
臨時収入が増えるので嬉しいです。


「おいおい、潜水艦だの宝だのついていけないぞ。」

「言ってしまえば、ここまでは前座。ステーション建設は潜水艦でのお宝探しをする為の準備だよ。」


潜水艦の使用


「いよいよ海底に出ていくわけだね」

「思ったよりゴリゴリお金が削れるし、定期収入はないし…シンドいわ」

潜水艦を使用できるようになるには条件があります。

・1つの調査ステーションに少なくとも2つ自分の調査隊がいること
・上記の条件に加えて、その調査ステーションから少なくとも1つの青い通路があいている海のマスに繋がっていること。


「なるほど。海に繋がるんだなこの通路は。」

潜水艦を使用することにした場合は、そのステーションから調査隊を1人取り除き、自分の潜水艦をその青い通路が接している海マスに置きます。乗り込むイメージですね。

「なんかはみ出てない?」

「きのせい、きのせいよ」


音波調査

潜水艦を使用したプレイヤーは音波を使って離れたところにある海の発見物の内容を見ることができます。1ネモかかります。
最初は潜水艦から4マス分までの所にあるものしか見ることはできませんが、音波ステーションを稼働させることによって音波の範囲を広げることができます。
例外として、海溝(1番深い所)の内容を見たいときは、潜水艦も海溝にいなくてはなりません。


潜水艦の移動

手番になったら潜水艦を1つずつ移動させることができます。
通常は4マス分までですが、技術ステーションを稼働させていれば移動力が上がります。

移動にはあまり制限はありませんが、他の潜水艦やステーションがあるマスで行動を終えることはできません。


海溝についてのルール

海溝はとりわけ条件の厳しい海域です。
5つの異なる調査ステーションを稼働させた後、初めて海溝のマスへ進むことができるようになります。
誰か1人が海溝へ進むことができたら、この制限は無くなります。
また、ステーションが海溝まで伸びた場合も海溝へ潜水艦を進めることができます。


海の発見物の回収

潜水艦を海の発見物があるマスまで移動させたら、その発見物を回収します(強制)。

加速チップ、もしくは宝箱だったら無料で回収できます。それ以外なら基本1ネモ。海底のチップは2ネモの回収費用がかかります。


加速チップ
任意の潜水艦を3マスまで移動させる。さらに発見物を回収することもできる。

宝箱
このゲームでは貴重な臨時収入が入る。
分析ステーションを稼働させていれば報酬はより高くなる。

巻貝、二枚貝
これらをめくった時に実験ステーションが稼働していれば、ボード上の任意の発見物の中身を見ることができます。

アトランティスの遺跡
回収したアトランティスの発見物は、ボード上の同じ数字が書かれている場所に置きます。
この時回収したプレイヤーのステーションマーカーを隣に置いておきます。
さらに自分の調査隊をステーション2つ分まで移動させることができます。

ラウンドの終了

全てのプレイヤーが潜水艦の移動まで終えたら、スタートプレイヤーマーカーが左隣のプレイヤーに移ります。次のラウンドをフェイズ1から始めます。

ゲームの終了

①全てのアトランティスチップが回収された時。
②どのプレイヤーもステーションの購入と建設、海の発見物を回収しなかった時。

この時はそのラウンドを最後まで行い、ゲームが終了します。
また、13、14、15のアトランティスチップが回収された時も、現在のラウンド+1のラウンドを行い、ゲームが終了します。

得点計算

最も多くのアトランティスチップを回収したプレイヤーから、ゲーム最初に定められていたアトランティスの得点を獲得します。

これに海の発見物ごとのポイントを加えたものに、調査ステーションをどれだけ稼働させたか(チャートシートに置いてあるチップの得点)を掛け合わせ、最後にお金1ネモにつき1ポイントを足します。

当然合計値の高い方が勝利します。


「最後は掛け算か…。ステーションをどんどん稼働させて、最後に一気に差をつけたい所だな。」


「お金はカツカツなんだけど、得点を伸ばすためには勇気を持って使っていかなければならないな。しかし毎ラウンド手に入るわけじゃないから苦しい。」

「海の底の息苦しさって感じだね。」

海洋冒険浪漫を体感せよ!1つ上の「海底探険」はいかが?


海をテーマにしたボードゲームはそこそこの数あるわけですが、ここまでロマンあふれるゲームはそんなにないでしょう。
システムとしてはレトロな感じ(かなりお金関係がシビアで苦しい)がしますが、勝ち負けは二の次にして海底探険を楽しんでみるのもいいんじゃないかと思います。

僕のテーマに対する愛はこの記事の分量からも明らかだと思います。若干色眼鏡で見ているかもしれませんが、これは面白いですよ〜
随分前にテキトーに書いたカタンの加筆を早くせよ!


クローズド会でのプレイが多い僕ですが、このゲームに関しては色んな人とやってみたいので、持ち込みは増えるかもしれません。